なぜロピアに行くと爆買いしてしまうのか? 「姫路ムサシ店」の売場から考察!

森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は2025年2月20日、兵庫県姫路市に「ロピア姫路ムサシ店」(以下、姫路ムサシ店)をオープンした。前編ではおもに青果部門の品揃え、売場づくりを紹介したが、後編では続く鮮魚、総菜、精肉部門、日配・加工食品の売場についてレポートする。
調査日=2025年4月9日  ※本文中の価格はすべて本体価格

売場各所でオリジナル商品を訴求

 姫路ムサシ店では、買物カゴをいっぱいにして楽しそうに回遊しているお客の姿がたくさん目に入る。ロピアでは、なぜこれほど買物をしたくなるのだろうか。前編では来店客の「買い物スイッチ」を入れる青果の売場づくりについて解説したが、続く各部門も同様に、つい商品にお客の手が伸びる演出に着目しながら歩いてみたい。

オープンから少し経つが、「ロピア姫路ムサシ店」は、今も多くのお客でにぎわっている
オープンから少し経つが、「ロピア姫路ムサシ店」は、今も多くのお客でにぎわっている

 鮮魚売場は「日本橋魚萬」の屋号で展開する。各所で旬の魚を豊富に揃え、にぎわいある売場で雰囲気を盛り上げている。レンコ鯛、真サバ、真カレイ、生真タラなどの、切り身の大容量パックを積み上げ、「魚が主役 BBQ」とのPOPを添えてアウトドア向け食材として提案していた。

 ここで強化しているのはオリジナル商品だ。主通路の目立つ場所では大型冷蔵ケースを置き、独自ブランド「適サシサーモン」の「刺身用ブロック」(本体価格100g465円)を量感持たせて陳列する。売場には大型のボードを掲げ、商品を訴求。「適サシサーモンとは、サシの入り方が過剰ではない 脂の甘みと旨味のバランスが良い『適度な霜降りサーモン』のこと」と記していた。

 冷凍魚にも力を入れるが、ここでも目立つのは独自ブランドである。たとえば「銀鮭甘口」(6切入り1390円)は、単品に絞って壁面の大型冷蔵什器でボリューム陳列していた。パッケージに「常備しておいて損は無し」とあり、買い置きしておけば便利な商品であることを伝えている。

鮮魚部門では冷凍の独自ブランドも強化する。写真は「銀鮭甘口」(6切入り1390円)
鮮魚部門では冷凍の独自ブランドも強化する。写真は「銀鮭甘口」(6切入り1390円)

 隣接する総菜売場では、「ねぎたっぷり油淋鶏」(777円)、「ミートボールど〜ん!ナポリタン」(680円)はじめ、ロピアらしい個性的な大容量商品が並ぶ。人気のピザコーナーでは「ホワイトソースのシーフードピザ」「マイルドカレーピザ」「テリヤキチキンピザ」などを販売。1580円だが、21111円、42000円、52222円と「よりどり企画」で提供しており、多くのお客が集まっていた。

 前編でも少し触れたが、総菜で充実していたのはスイーツだ。とくに冷凍品は、大型什器で「冷凍惣菜・スイーツ」コーナーとして展開。「シチリア風カッサータ」「栗香る モンブランケーキ」「カスタード好きの為のミルフィーユ」(いずれも999円)で販売。こちらも21800円の「よりどり企画」を実施して、お得感を訴求していた。

総菜売場の一角ではスイーツが充実。「栗香る モンブランケーキ」(999円)はじめ、冷凍スイーツが多く見られた
総菜売場の一角ではスイーツが充実。「栗香る モンブランケーキ」(999円)はじめ、冷凍スイーツが多く見られた

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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