ヨークベニマルが宇都宮に「ミライト一条店」を開業! 即食強化型の売場づくりとは
ヨークベニマル(福島県/大髙耕一路社長)は5月30日、栃木県宇都宮市に「ヨークベニマルミライト一条店」(以下、一条店)をオープンした。周辺は会社やマンションが立地するものの近隣に食品スーパーが少なく、仕事帰りの夕食需要やビジネスパーソンの昼食利用が見込まれる店舗だ。そこで、同店では総菜を強化し、即食ニーズへの対応に力を入れている。本稿では、総菜にフォーカスして同店の商品政策(MD)をレポートする。
宇都宮市が進める事業の一環で中学校跡地に出店
一条店は、東武宇都宮線「東武宇都宮」駅から徒歩14分の場所にある複合施設「ミライト一条」内に位置する。同施設は宇都宮市が進める民間提案施設整備事業のもと、事業者として選定されたヨークベニマルが中学校の跡地に建設したものだ。施設は同店「ヨークベニマル館」に加え、美容室、医療施設、「マツモトキヨシ」などからなる「サービス館」で構成される。敷地内には公園や地域の交流スペースなども設置され、今後さまざまな世代の利用が見込まれる。
店舗周辺は市役所や病院があるほか、会社やマンションなどが集積するエリア。1km圏内は8984世帯/1万7510人が居住する。世帯数別人口構成では1~2人世帯が75%を占めており、世帯当たりの人数が少ないのが特徴だ。また、徒歩10分圏内でみると60代以上の住民が多い。
一条店の半径1㎞圏内は食品スーパーがなく、食品の買い場が限られるエリアだった。2km圏内では「ヤオコートナリエ宇都宮店」や「メガセンタートライアル宇都宮店」などの競合店がある。
一条店の売場面積は約730坪で、ヨークベニマルとしてはやや大型のサイズ。売場では地元農産物や生鮮品を強化するほか、仕事帰りや昼食での利用を見込んで総菜をはじめとする即食商品の販売にとくに力を入れる。デリカ(総菜・寿司・ベーカリー)の取扱品目数は合計295SKUと、標準店よりもやや多い。
店内製造の弁当・おにぎり・寿司を壁面で展開
総菜売場では、壁面で店内製造の弁当やおにぎり、寿司を販売する。弁当は、白米と比べて栄養価が高い黒米や十六殻米を使用した「鶏とアジの南蛮仕立てのお弁当」「若鶏と彩り野菜の黒酢あんのお弁当」(各598円、以下税別)などカラダにやさしい素材を使用した商品を揃える。洋風メニューでは、取材時「チキンと海老アボガドの贅沢タコライス」「人参ドレ!10品目のハーブチキンボウル」(各680円)などレモンを使用したメニューをいちおし商品として販売していた。

おにぎりは通常商品のほか、宮城県のブランド玄米「金のいぶき」を使用した商品を販売する。また、2種類の具材を贅沢に使用した「さんかくおむすび」は、「南高梅&おかか」「紅鮭&筋子」「豚キムチーズ」(各298円)など6SKU揃えている。

寿司は、店内炊飯のシャリを使用し、まぐろを中心とした寿司を提供する。取材時には「まぐろづくし」(980円)や、色々なネタを組み合わせた3貫セットの「海鮮アラカルト」(398円~780円)などを販売する。また取材時は、オープン記念商品として「【本まぐろ・本ずわい】葵」(980円)を販売していた。巻き寿司は海鮮太巻きなどのほか、韓国料理のキンパ巻も揃える。キンパ巻とミニ寿司を組み合わせた「手まり&牛カルビキンパ巻セット」(550円)なども用意していた。

