進化続けるスーパーマーケットのピザ プロの職人が有力4社の商品を忖度なしでレビュー!

2025/04/23 05:35
関川 耕平 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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関東圏のスーパーマーケットから総菜ピザをセレクト

 今回調査対象としたのは、関東圏で店舗を展開する「オーケー」「サミット」「ライフコーポレーション」「ヤオコー」の4社が販売する「マルゲリータ」だ。箱から出した際の商品の見た目、具材とピザ全体の味と香り、焼き加減などを評価基準とし、加熱前と加熱後で評価した。ここからは、その評価と今後の改善点について青木氏が解説する。

オーケー

「手作りチェリートマトのマルゲリータピザ」(15㎝、129円)

※カット売り(1/4カット)で試食

 オーケーのマルゲリータは、全体的に生地に厚みがある点がまず目を引いた。ピザは一般的に、「コルニチョーネ」と呼ばれる部分(ピザ生地の縁の部分)がしっかりと空気を含んで膨らんでいることが理想とされるが、本商品はしっかりと膨らんでおり、焼き上がりもよい。瞬間的な高い温度でしっかりと焼かれていることがわかる。また、フレッシュなトマトを使用している点も評価できる。

 加熱前は、ナイフでは切れない固さだったが、加熱するとパンのような香りがたち、噛んだ時にピザ生地が持つ複雑な食感が出てきた。また、熱を加えることで、フレッシュなトマトの酸味が際立ち、おいしさが増している。

 サイズは小さめだが価格も安く、全体的に完成度が高い。工夫を加えるならば、バジルソースではなく、フレッシュバジルを使えば色味だけではなく香りがいっそう立つだろう。

ライフコーポレーション

「ミニマルゲリータ」24㎝、348円)

※取材時、ホールサイズがなかったため、ハーフサイズで検証

 ライフコーポレーションのマルゲリータは、裏面が白く、焼きが少々足りない印象だ。コルニチョーネはしっかり膨らんでいるが、生地を伸ばした時に偏りが出たのか、断面の厚みが均等ではなかった。

 この場合、食べる場所によって食感に差が出てきてしまい、生っぽい焼き上がりになりかねない。また、具材のチーズの量が少なく、生のバジルがピザの中央に置かれていないため、ホールで見た時のバランスが悪いなど、見た目の面で改善の余地がありそうだ。

 加熱前に食べると、生地の焼きが足らず、ピザというよりパンのような印象だ。味はトマトソースにほかの調味料が加わっているため複雑になっている。加熱すると香り、チーズのとろみ、オイル感が出て、生地の食感はクリスピー感が増すため、本商品は両面焼きができるオーブンなどの利用を推奨したい。

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記事執筆者

関川 耕平 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

1995年生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。

24年に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディアに入社し『ダイヤモンド・チェーンストア』の担当編集者となる。

趣味はクライミングとコーヒーを淹れること。特技と悩みは浪費と早食い。

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